阿川佐和子さん

  先日、友だちがお酒の席で興味深い話しをし始めました。阿川佐和子さんについてです。 阿川さんは9年半もの間、お母さんの介護を経験されていて、途中からお父さんの介護も加わり、そこにご自身の更年期も重なっていたという、とても大変な経験をされているわけですが、自分たちにとって何が興味深かったかというと、彼女が「サボっていた」と公言している部分にあります。彼女は、介護をしながらゴルフに行って、お母さんに「あなた疲れた顔してるわね。仕事が大変だったのね。」と言われていたけど、実はゴルフに行っていただけという、その後ろめたさをつくることで、少し相手に優しくなれたそうです。 また、ある時は、お父さんに一生懸命に持っていった食事を「不味い」と言われ、腹が立ったから、こっそりお父さんのお金で自分のブラジャーを3本買ってやりました(笑)とも話されたりしてて、なんて気持ち良いエピソードだろうと思ったわけです。 私たちの周りにある、"こうあるべき"や”正しくあらねばならない”って、もちろん周りから決められているような部分もあれば、実は自分たちの心の中で勝手に作り上げてしまっている部分も大いにあるわけで。しかも、その環境は境遇は変えにくいけれど、自身の考え方はまだ調整がしやすい。 しなやかに不真面目に。「堅すぎる木は折れる」と説いたのは老子だったでしょうか。 この夏も実家の仏壇にAPFRのお香を立て、日頃の愚行を先祖に窘めてもらおうと目論んでいるところです。

Woset

 

随分前に、Jay Coverというアーティストの作品集をCOPYLEFTで販売していたことがあって、以来ずっと気になる存在だったのですが、彼の活動を追っていると、見たことのない不思議なパッケージを手掛けていることを知りました。なんとなく子ども向けの文房具のような予感はしていたものの、なかなか情報もなく、販売すらされておらず、謎は深まるばかり。そのうち、これからレーベルとして販売が始まりますというお知らせをいただき、すぐに自分たちの子どもへのプレゼントにいろいろ買ってみたのが、私たちとWoset(ウォゼット)の関係の始まりです。

Wosetのコンセプトは「Creative Tools for Endless Imagination 」。クレヨンやマーカー、スケッチブック、鉛筆削りなど、どのアイテムもとてもユーモアに溢れています。なるべく糊を使わずに組み立てられるよう設計された紙のパッケージは、塗り絵ができるよう、あえて色がつけられていません。しかし、そんなことを大人がわざわざ説明するまでもなく、あっという間に箱をカラフルに塗っていく子どもの様子が気持ち良い。もちろん、世界にはこれまでも子どものためのトラディショナルなブランドが存在しているのですが、私たちはやっぱり今、目の前で始まったこの新しく小さな世界に興味があって。そこからCOPYLEFTにWosetが並ぶまではあっという間でした。

普段、私たち大人のいう"かわいい"と、子どもたちのいう"かわいい"ってなかなか一致しなくて、もちろんその不一致も痛快で大好きなのですが、Wosetに関してはなぜか一致するという現象も不思議で面白いのです。いつもお店に来てくれる子どもたちはもちろん、大人のみなさんにも手に取ってもらえているのはとても嬉しいなと思っています。

そして今月、新しくピクニックシートがリリースされました。これも良い意味でつくり込み過ぎてないのがWosetらしく、力の抜け加減が最高。ついさっきも友だち家族が遠足用に買いにきてくれたところです。夏には海や川にも連れていきたいですね。にぎやかなバグズがソロゾロと集まっています!虫が苦手な人も、これならきっと大丈夫?