阿川佐和子さん

  先日、友だちがお酒の席で興味深い話しをし始めました。阿川佐和子さんについてです。 阿川さんは9年半もの間、お母さんの介護を経験されていて、途中からお父さんの介護も加わり、そこにご自身の更年期も重なっていたという、とても大変な経験をされているわけですが、自分たちにとって何が興味深かったかというと、彼女が「サボっていた」と公言している部分にあります。彼女は、介護をしながらゴルフに行って、お母さんに「あなた疲れた顔してるわね。仕事が大変だったのね。」と言われていたけど、実はゴルフに行っていただけという、その後ろめたさをつくることで、少し相手に優しくなれたそうです。 また、ある時は、お父さんに一生懸命に持っていった食事を「不味い」と言われ、腹が立ったから、こっそりお父さんのお金で自分のブラジャーを3本買ってやりました(笑)とも話されたりしてて、なんて気持ち良いエピソードだろうと思ったわけです。 私たちの周りにある、"こうあるべき"や”正しくあらねばならない”って、もちろん周りから決められているような部分もあれば、実は自分たちの心の中で勝手に作り上げてしまっている部分も大いにあるわけで。しかも、その環境は境遇は変えにくいけれど、自身の考え方はまだ調整がしやすい。 しなやかに不真面目に。「堅すぎる木は折れる」と説いたのは老子だったでしょうか。 この夏も実家の仏壇にAPFRのお香を立て、日頃の愚行を先祖に窘めてもらおうと目論んでいるところです。

ゼルダの伝説

 

子どもの頃、ゲームを通してとても良い体験ができたなと思うものがいくつかあります。そのひとつが“ゼルダの伝説”。今度は自分の子どもがゲームを理解したり興味を持ち始めたタイミングだったので、SWITCHでリリースされている令和のゼルダを買い、家族全員で相談しながら進めているところです。

ご存知の方も多いと思うのですが、このゲームはただ敵と闘って強くなるだけでは進めません。知恵を使い続けなければ前に進めないようになっています。例えば、崖の上に行きたいけれど、そこに階段がない。そしたら足場となる箱や木、トランポリンを組み合わせて使うなど、実際の社会と同じように工夫が必要なわけです。火と水の関係、物の方物曲線や空気抵抗といった法則が存在するため、それらの反応や組み合わせを駆使しないと進んでいけません。

今回、何十年振りにこの新しいゼルダに興味がわいたのには他にも理由があって、主役が男の子ではなく女の子(ゼルダ姫)というところ。そして、なんといってもグラフィックの美しさ。登場人物たちのポップなかわいらしさに加え、フィールドの色彩もまるで異世界を旅するような独特な情緒を感じさせます。

謎解きはもうすっかり親より子どもの方がお手のものです。どんどん知恵や試行を繰り出していきます。いつか大きくなったときにも、家族みんなで相談しながらゲームをクリアしたことと、遊びと勉強を分けたり隔てる必要のないことを、どこかに感覚として憶えていてくれたら嬉しいなと思います。