阿川佐和子さん

  先日、友だちがお酒の席で興味深い話しをし始めました。阿川佐和子さんについてです。 阿川さんは9年半もの間、お母さんの介護を経験されていて、途中からお父さんの介護も加わり、そこにご自身の更年期も重なっていたという、とても大変な経験をされているわけですが、自分たちにとって何が興味深かったかというと、彼女が「サボっていた」と公言している部分にあります。彼女は、介護をしながらゴルフに行って、お母さんに「あなた疲れた顔してるわね。仕事が大変だったのね。」と言われていたけど、実はゴルフに行っていただけという、その後ろめたさをつくることで、少し相手に優しくなれたそうです。 また、ある時は、お父さんに一生懸命に持っていった食事を「不味い」と言われ、腹が立ったから、こっそりお父さんのお金で自分のブラジャーを3本買ってやりました(笑)とも話されたりしてて、なんて気持ち良いエピソードだろうと思ったわけです。 私たちの周りにある、"こうあるべき"や”正しくあらねばならない”って、もちろん周りから決められているような部分もあれば、実は自分たちの心の中で勝手に作り上げてしまっている部分も大いにあるわけで。しかも、その環境は境遇は変えにくいけれど、自身の考え方はまだ調整がしやすい。 しなやかに不真面目に。「堅すぎる木は折れる」と説いたのは老子だったでしょうか。 この夏も実家の仏壇にAPFRのお香を立て、日頃の愚行を先祖に窘めてもらおうと目論んでいるところです。

BLUE HOUR

 

最近ずっと聴いている、JoyiaのFlight’s Landedというアルバム。全然知らなかったアーティストなのですが、偶然聴いてみたらとてもしっくりきて。曲名もPurple FieldsやLake Promenade と、自然風景を描写した要素も見受けられ、透明感のあるトラックに、澄んだ歌声の乗ったスッキリとしたR&B。キャッチーな要素はないので、一聴すると地味に聴こえるのですが、この地味さがとにかく心地良い。耳を傾けると聴き込めるし、仕事や運転をしていても、それが意識の前で邪魔をしないから、しっかり歌われているはずなのに、どこかインスト曲を聴いているような感覚。

そして、ブルーとピンクが重なったアルバムジャケットも、一貫したイメージとして感覚に入り込んできます。中の7曲を延々と流しながら、BLUE HOURのお香を炊くとこれがまたよく溶け合う。日の出や日没の青に染まる時間を現したAPFRの香り、抜群の相性でした。