阿川佐和子さん

  先日、友だちがお酒の席で興味深い話しをし始めました。阿川佐和子さんについてです。 阿川さんは9年半もの間、お母さんの介護を経験されていて、途中からお父さんの介護も加わり、そこにご自身の更年期も重なっていたという、とても大変な経験をされているわけですが、自分たちにとって何が興味深かったかというと、彼女が「サボっていた」と公言している部分にあります。彼女は、介護をしながらゴルフに行って、お母さんに「あなた疲れた顔してるわね。仕事が大変だったのね。」と言われていたけど、実はゴルフに行っていただけという、その後ろめたさをつくることで、少し相手に優しくなれたそうです。 また、ある時は、お父さんに一生懸命に持っていった食事を「不味い」と言われ、腹が立ったから、こっそりお父さんのお金で自分のブラジャーを3本買ってやりました(笑)とも話されたりしてて、なんて気持ち良いエピソードだろうと思ったわけです。 私たちの周りにある、"こうあるべき"や”正しくあらねばならない”って、もちろん周りから決められているような部分もあれば、実は自分たちの心の中で勝手に作り上げてしまっている部分も大いにあるわけで。しかも、その環境は境遇は変えにくいけれど、自身の考え方はまだ調整がしやすい。 しなやかに不真面目に。「堅すぎる木は折れる」と説いたのは老子だったでしょうか。 この夏も実家の仏壇にAPFRのお香を立て、日頃の愚行を先祖に窘めてもらおうと目論んでいるところです。

転職

 

今週末、お店に来てくれた方の話を少し。季節的なものではありますが、特に今年は私たちの周りでも、新しいスタートをきる人たちが多いように感じています。

同年代の方。きっと長いご勤続ではないでしょうか、みんなもうなかなか冒険しないような確固たるキャリアながら、これからもっと冒険しようという動機で転職を決められた方。新たなお仕事で出掛けるのにと、アウターを買いに来てくださったのですが、その大切な節目にCOPYLEFTを選んでくださったのがとても嬉しくて。仕事で、TENNE HANDCRAFTED MODERNのコートを羽織ってる女性、とてもかっこよくないですか?一緒にさっと新しいリップバームも選んでいかれる様子も、大人の迷わない選択で素敵だなと思いました。


そしてもう一人。一緒に遊びに行ったり、すっかり一緒にいるのがあたりまえのような気心の知れた存在。彼女もまたこの春に新しい仕事や環境に移る予定になっていて。今日は慌しくてあまり喋れなかったけど、ルームスプレーを選んでくれていたから、きっと引越し先の新しい部屋で使ってくれるのかな…と思うと、どこか寂しいような嬉しいような、兄妹を見送るような気持ちでいます。


どちらも「まあ、今のままで良いか…」と思えば、わざわざリスクを背負う必要もないですし、新たな刺激や挑戦意欲に対し、何も今の自分を引換にしなくても、このままでいいという感覚は、程々に安泰している(してしまっている)大人なら誰しもがもつ思考なのではないかなと思います。でも、だからこそ周りにこんなお客さん(友人たち)がいることをとても誇りに感じた週末でした。


だって、変化を迫られる前に、こっちから変わらなきゃ楽しくないじゃないですか。